
Cometブラウザとは?
AI検索の雄Perplexityが放つ
《 AIエージェントブラウザ 》
の実力と可能性を徹底解説〜
はじめに
これまで私たちが使ってきたChromeやSafariといったブラウザは、あくまで《情報を表示するためのツール》でした。
しかし、AI検索エンジンで世界をリードするPerplexity社が2025年に発表したComet(コメット)は、その常識を覆す《行動するAI》ブラウザです。
この記事では、Cometがどのように私たちのウェブ体験を変えるのか、その特徴や技術、具体的な活用例を、AI初心者の方にも分かりやすく解説します。『AIエージェント』と呼ばれるこの新しいブラウザは、まさに未来のスタンダード。
今のうちにしっかりと押さえておきましょう。
従来のブラウザとCometの違い
Cometは、従来の《人が操作して情報を見る》ブラウザとは根本的に異なります。AIがあなたの指示を理解し、自らウェブサイトを操作して情報収集やタスク実行を代行する、まさに《 あなたのためのエージェント(代理人)》です。
AIチャットボットのように対話するだけでなく、実際に「ログイン」「クリック」「入力」「比較検討」といった一連の作業をAIが自動で行えるのが最大の特徴です。

Cometの主な機能と特徴
Cometは、高性能なAIモデル(o3 Pro, Claude4 Opusなど)とPerplexity自身の強力なAI検索エンジンを統合。
これにより、ユーザーの曖昧な指示でも意図を汲み取り、出典付きで信頼性の高い回答を生成します。
テキストだけでなく、音声でもAIに指示を出せます。検索結果の出力などは音声で可能ですが、現時点では『このリンクをクリックして』といった画面上の直接操作はできません。今後のアップデートによる機能向上に期待が集まります。
ブラウザの横に表示される『Assistant(アシスタント)』画面が主な操作パネルです。ここに指示を入力することで、ページの要約、深掘り調査、画像の生成など、様々なタスクをAIに実行させることができます。
『昨日の検索履歴を一覧で表示して』『〇〇に関するタブだけ開いて』といった指示で、タブや履歴を効率的に管理できます。
Googleカレンダー、Googleドライブ、Dropbox、LinkedInなどの外部サービスと連携し、情報の参照やタスク実行が可能です。
ページの要約や情報収集といったタスクの処理速度は非常に高速で、他のAIブラウザ(例:Genspark)以上との呼び声も高いです。これにより、思考を止めずにサクサクと作業を進められます。

具体例でわかるCometの実力
海外の解説動画など、言語の壁があるコンテンツも問題ありません。Cometは動画の概要欄や文字起こしデータを基に、瞬時に内容を要約。動画を見ながらリアルタイムで字幕のように内容をテキストで追うこともでき、概要を把握してから効率的に視聴できます。
Amazonや楽天で気になる商品を見つけたら、そのページを開いたままAssistantに『この商品と似た商品を価格とスペックで比較して』と指示。
AIが複数の商品をリストアップし、あなたが指定した軸で比較表を作成してくれるため、賢い買い物ができます。
「今日のITニュースを要約して投稿して」と指示すると、AIが内容を作成。投稿前には必ず人間の確認が入るため、意図しない内容が勝手に投稿される心配はありません。
「OK」を出すだけで、情報発信が完了します。さらにAssistant画面で、どの投稿がどれくらい見られたかといったインプレッションの確認も可能です。
受信したメールに対し、音声で『承知しました、と返信しておいて』と指示するだけで、AIが適切なビジネスメールを作成。これも送信前に必ず確認画面を挟むので安心です。
『このブログ記事にあるURLがリンク切れしていないか全部チェックして』といった地味で面倒な作業もAIに丸投げ。AIが自動で全リンクを確認し、結果を報告してくれます。
利用方法と注意点・用語解説
- ダウンロードが必要:Cometは専用のブラウザアプリケーションのため、公式サイトからダウンロードしてインストールする必要があります。
- データ引き継ぎ:インストール時には、現在お使いのブラウザ(Chromeなど)からブックマークや設定を引き継ぐためのオプションが用意されています。
- 利用料金:現在、Cometの全機能を利用するには、Perplexityの最上位プラン「Perplexity Max」(月額200ドル)への加入が必要です。
- 対応OS(2025年7月12日現在):
・Comet: Windowsユーザーのみ利用可能。
・他のAIエージェントブラウザ (Dia, Genspark, Fellouなど): 主にmacOSのみ対応。 - 日本語対応:基本的な日本語指示には対応していますが、より高度な機能は英語での利用が中心です。今後の日本語最適化に期待が高まります。
- セキュリティ・プライバシー面:AIにログイン情報などを預けて操作を代行させるため、個人情報や機密情報の取り扱いには十分な注意が必要です。信頼できるサービスでの利用に留めましょう。

AIエージェントとは、特定の目的を達成するために、ユーザーに代わって自律的に判断し、行動するAIプログラムのことです。従来のAIが
✦ 質問に答える
✦ 文章を作成する
といった受動的な役割だったのに対し、AIエージェントは
✦ 目標(ゴール)
を与えられると、それを達成するための計画を立て、必要なツール(この場合はブラウザ操作)を駆使して能動的にタスクを実行します。
Cometは、このAIエージェントをブラウザに搭載することで、単なる情報アクセスの道具から、ユーザーの知的生産活動を代行・支援するパートナーへと進化させたのです。
最後に
Cometがもたらす新しいウェブ体験
Cometは、ウェブブラウザを《情報を見る・探す》場所から、《タスクを“依頼”する》場所へと変革させる、まさにゲームチェンジャーです。
現在はまだ一部のユーザーにしか公開されていませんが、この技術が当たり前になれば、私たちの働き方や情報の扱い方は劇的に変化するでしょう。面倒なルーチンワークはAIに任せ、人間はより創造的で本質的な活動に集中できる未来がすぐそこまで来ています。
AI検索のパイオニアであるPerplexityが開発したCometの動向は、今後のウェブの進化を占う上で、決して見逃すことのできないものです。
- Perplexity 公式サイト・PR TIMES – Perplexity、AIエージェント搭載の次世代ブラウザ「Comet」を限定公開
- ZDNET Japan – PerplexityのAI搭載ブラウザー「Comet」を試してみた
- note – AIブラウザ時代の幕開け!Perplexity Comet(パープレキシティ コメット)
- YouTube:KEITO WEB&AI CH
- YouTube:mikimiki web スクール
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